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松村:
普通の住宅を改造した医院ということで何か不便とかはありましたか?
先代:
できたばかりの松村医院の待合室は狭くて、大人が3人も入ればいっぱいになりました。わたしが患者さんを待たせるのが嫌いだったため、患者さんが来るとすぐに診ていたし、最初はそれほど患者さんも多くなかったので、幸いそれほど大きくなくてもよかったのです。それともうひとつは普通の家を改造して造った医院だったため、実は診察室の横にお風呂場があって、診察室を通らないとお風呂に入れない作りでした。夜7時から診療が始まるのですが、早めにいらっしゃる患者さんもいるので、自分の家の子供たちには夕食もお風呂もそれまでに済まさなくてはいけないという感じでした。アットホームと言えば文字通りアットホームな医院でしたが、たまには患者さんから「2階で子供達がケンカしているよ。早く止めに行った方がいいんじゃない。」と、言われることもありました(笑)。時には患者さんが子供の勉強を見てくれたり。今思うとよくやったなあと思います。家内もよくやってくれましたし。
松村:
線路際の松村医院から、いまの場所に越して来たのは?
先代:
線路際の医院では、昭和54年までの10年間ほどやっていたのですが、患者さんがだんだん増えてきて手狭になったため、いまの松村医院の場所に移ってきました。いまの松村医院の場所の隣が当時の大家さんで、土地を売ってくれないかと申し出たら二つ返事で「いいですよ」といっていただき医院を建てることになったのです。医院の設計のときには、建築家さんに喫茶店みたいな医院を建てて欲しいと要望して、作ってもらいました。今の上野毛アパートのところから大井町線の線路際をはじめ、松村医院の周辺はいまと違って、桜並木があちこちにあって、春になるとそれはそれは綺麗でした。医院は少しだけ広くなったので、待合室も以前のところは3人でいっぱいだったのが5人位は入れるようになりました。(笑)
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