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【コメント】
わたくし松村真司は、医師という仕事を「病気を治療するだけでなく、人々の健康を、そして健康的な暮らしや生き方をサポートする仕事。」そんなふうにとらえています。 日頃、私がどんな思いで患者さんと向き合っているかを知っていただきたいと思いました。
【過去のコラムは、こちら】
●第1回:「松村医院の医療方針
     (プライマリ・ケア)について」

●第2回:「往診・訪問診療について」
◎第3回:「予防接種について」
●第4回:「研修について」
●第5回:「コミュニケーションについて」
●第6回:「クオリティ・オブ・ライフ」
●第7回:「松村医院の建物改築について」
●第8回:「松村医院の建物改築について
      第2弾 新生・松村医院へ」

第3回「予防接種について」





--今回は「予防接種」についてお話をうかがいたいと思います。

松村:予防接種、ふつうは予防注射っていいますよね。どんなイメージをお持ちですか?

--それを受けておくことで、病気にかからずに済むんですよね。病気になるのを事前に防いでくれるものと考えればいいのでしょうか?

松村:「予防接種」というのは、将来かかるかも知れない病気に対して、異常がなく健康な今のうちに手を打つことで、病気にかかる可能性、つまり病気のリスクを下げ、病気になる不安を解消することができるもの。言ってみれば“保険”みたいなイメージでしょうか。
 一度ウイルスや細菌に感染すると、免疫という体内にその病気に対する抵抗力ができるため、多くの病気は一度かかると二度とかからないか、たとえかかっても病状が軽く済むのです。このような人間が自然にもっている抵抗の力を利用して、ワクチンというお薬を使って発病しない程度に軽く感染させ、あらかじめその病気に対する免疫力を作り上げるのが予防接種の役目なわけです。特に適応力の大きい乳幼児の時期に予防接種を受けることで、重い病気にかかるリスクはかなり減少できます。
 また、個人を病気から守るという以外にも、集団を守るということも予防接種の目的です。それなりに抵抗力のある人が集団でいると、たとえ病原を持つ人が一人入ってきてもそれが他のひとにはうつらないため、感染の被害が広がるのを防ぐことができるわけです。
 予防接種の条件としては、原則的に元気な人に行うわけですからそのせいで具合が悪くなる人が多くては困ります。副反応(接種後の身体に現れるワクチンに対する望ましくない反応)が少なく安全であることが第一。それから誰もが利用できるように、安価であること、使用の方法が簡単であること、というのがポイントですね。

--接種に用いられるワクチンにはどのようなものがあるのですか?

松村:代表的なものとして「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。ウイルスや細菌などの病原体の持つ毒性をごくごく弱くしたのが生ワクチンで、これを生きたまま接種して、病気に軽く感染させて免疫力を作るのです。(ポリオ、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、水痘、BCGなど)
 一方、不活化ワクチンは、毒素を無毒化したり、病原性や感染力をほとんどなくした(不活化した)細菌やウイルスの一部だけを使い、免疫反応を起すのに十分なだけ接種することによって免疫力を作ります。不活化ワクチンは生ワクチンに比べて免疫力を高める作用が弱いため、ふつう何回かに分けて接種することになります。(DPT三種混合、日本脳炎、インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎など)三種混合ワクチンや、日本脳炎などが何度も注射をしなければいけないのはそういう理由なのです。いずれのワクチンも、身体に入れたり皮膚に付けたりしても、免疫力をつける程度で本物の病気にはならないように作られています。
生ワクチンポリオ、麻しん(はしか)、風しん、BCGなど
不活化ワクチン百日せき、破傷風、ジフテリア、日本脳炎、
インフルエンザなど


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