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【コメント】
わたくし松村真司は、医師という仕事を「病気を治療するだけでなく、人々の健康を、そして健康的な暮らしや生き方をサポートする仕事。」そんなふうにとらえています。日頃、私がどんな思いで患者さんと向き合っているかを知っていただきたいと思いました。
【過去のコラムは、こちら】
●第1回:「松村医院の医療方針
     (プライマリ・ケア)について」

●第2回:「往診・訪問診療について」
●第3回:「予防接種について」
●第4回:「研修について」
◎第5回:「コミュニケーションについて」
●第6回:「クオリティ・オブ・ライフ」
●第7回:「松村医院の建物改築について」
●第8回:「松村医院の建物改築について
      第2弾 新生・松村医院へ」
 1.医療面接パフォーマンスのスタート!
 2.12分間で模擬患者さんを相手に診療
 3.診療が終わるとビデオでチェック!
 4.講師スタッフがポイントを解説
 5.模擬患者さんからも感想を聞く
第5回「コミュニケーションについて」





 今回は、わたくし松村の教育者・研究者としての側面をクローズアップ。といっても、もちろんこれらの研究は、松村医院の診療をより良くするためのもの。プライマリ・ケア教育における実績と経験を活かして、診療におけるコミュニケーションスキルの指導を目的とした医師のための研修を、講師スタッフとしてサポートしています。研修会に参加された医師の談話と共にご紹介しましょう。

--はじめに、この研修「コミュニケーションスキル/患者満足訓練コース」とはどんなものか、研修の概要を教えていただけますか?

松村:診療において、これまでは病気や悪いところを的確に診断できればそれでよしとされていたものが、最近になって、その上で患者さんの満足度というものを重視するようになってきました。コミュニケーションそのものが医療の質を決定する重要な要素というわけです。このような流れをうけて最近の医学生たちは大学で“医療におけるコミュニケーションスキル”を学びますが、すでに医師として働いている人はそれを系統だって勉強する機会がない、むしろ診療に慣れてしまっている先生たちにこそ、自身の診療というものをあらためて見直してもらう必要があるのではないかということで、経験のある先生たちをターゲットにしたのがこの研修です。

発起人の箕輪先生(後出)は、プライマリ・ケアの医療の質を向上させようと様々な研修を行ってきた第一人者ですが、患者さんの信頼感と満足度の高い診療を実現するためにコミュニケーションはきわめて重要と考え、この研修を考案されました。講義と実技を通して、医師たちが診療におけるコミュニケーション(医療面接)の基本技法を学び、コミュニケーション能力を高めることを目標としています。
診療での患者さんとの良好なコミュニケーションというのは、私の専門である“プライマリ・ケア”においても基本中の基本です。短時間で効率的に話を聞いて、より深い情報を得るということがポイントになるわけですから…。私も“医療におけるコミュニケーション技法”が重要だと訴えてきたひとりでしたので、箕輪先生に声をかけていただいた時は、私のあらゆる経験や学んだことが活かすことができるならと考え、スタッフとしてサポートさせていただこうと思ったのです。

昨年の第1回目は成功するかどうか全くわからない状況でした。プログラムそのものはうまくいくと思ったのですが、特にシナリオが経験ある医師に受け入れられるかどうかが心配で…。というのも簡単なシナリオだと参加者はやる気が失せてしまうし、フィードバックの要点などある程度準備が必要ですし、そのあたりの仕込みに苦労しました。結果は受講された方の反応も良かったし、主催した私たちも満足のいくものでした。

--具体的にはどのような流れで研修が行われるのですか?

松村:先ず講義がありまして、コミュニケーションの重要性や基本技法を理解してもらい、医療面接の良い例・悪い例を紹介したり、言うことを聞いてくれない患者さんとどう話をするかとか、メンタルな問題がある患者さんとはどう接したらいいのかといった、具体的な話を講義形式で提示します。

左の“研修の流れ”の写真にもあるように、その後、3人ひと組になり、メインの医療面接パフォーマンス〈実践)を行います。あらかじめどんな病気かを設定された模擬患者さんを相手に、実際さながらに模擬診療をしてもらい、その様子をビデオで記録。終了後、ビデオを見て自らチェックしながら、インストラクターと他の受講生からフィードバックをもらいします。
コミュニケーションスキルの指導内容としては、患者さんに対する聞き方、話し方、態度、マナーといったことも含まれるわけですが、それをベテランの先生たちに指導するのは難しいし、お互いに気恥ずかしいので、ビデオに記録することで自己評価し、他者からフィードバックをもらえるように、トレーニングの方法を工夫しているのです。
参加される先生方は、学生と違いマナーはある程度できているので、むしろスキルを重視しています。今回は「外来」ということで、効率良く効果的に患者さんにインタビューをして、短時間でどれだけ重要な情報を引き出せるか、患者さんとの良好な信頼関係を結んでいけるかということにポイントを置いて、具体的に指導しています。

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