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【コメント】
わたくし松村真司は、医師という仕事を「病気を治療するだけでなく、人々の健康を、そして健康的な暮らしや生き方をサポートする仕事。」そんなふうにとらえています。 日頃、私がどんな思いで患者さんと向き合っているかを知っていただきたいと思いました。
【過去のコラムは、こちら】
●第1回:「松村医院の医療方針
     (プライマリ・ケア)について」

●第2回:「往診・訪問診療について」
●第3回:「予防接種について」
◎第4回:「研修について」
●第5回:「コミュニケーションについて」
●第6回:「クオリティ・オブ・ライフ」
●第7回:「松村医院の建物改築について」
●第8回:「松村医院の建物改築について
      第2弾 新生・松村医院へ」
第4回「研修についてVol.1」





 松村医院では定期的に、医学生や研修医を受け入れ、実習を行っています。今回、2日間の実習を受けた研修医である奥野誠さんにもご協力いただき、松村医院に対する印象やどんなことを学ばれたかといった感想とともに、松村医院での医学実習はどのように、どんな目的で行われているのかご紹介したいと思います。

協力: 奥野誠さん(島根県出雲市民病院2年目研修医、島根医科大卒)
両親が医療検査技師という影響もあり、ごく自然な流れで医療の道に進む。出身地である島根県を離れることなく地元で医療を学び、現在、市民病院で研修医として勤務2年目。内科を選択したのは「なんでも屋」になりたかったから。

--まず初めに、医学生の実習、研修制度とはどんなものか、簡単にご説明いただけますか?

松村:医者になる場合、医学部卒業後、国家試験に合格して医師免許を取得すればお医者さんになりますが、卒業してすぐ診療を一人でするのは難しいので、多くの医師は研修を行ないます。今は2年間、臨床研修指定病院で初期研修を受けることが努力目標とされています。これは義務ではありませんが、ほとんどの人が経験するものです。卒業生のうち、大学病院に残って研修を受ける人が8〜9割です。もっと臨床での経験を幅広く積みたいという残り1〜2割の人が、いわゆる臨床研修病院や臨床に力を入れている中小病院での研修を選択しています。また、医学生は医学部の勉強する中で、実習という形で病院に配属されることが多いのですが、その一環として大学の関連施設以外のところに実習に出かけることがあります。そのようなところとして、大学病院のような高度施設ではなく、一般の開業医のところに行くこともあります。

--松村医院もそのひとつということですね。小規模な個人医院で、医学生や研修医を受け入れているところは結構あるんですか?

松村:現在は非常に少ないです。医院側の本音としては、医学生や研修医を受け入れるというのは、なんとなく怖いという意識があるんですよ。「自分のところには難しい病気はあまり来ないから、実習に来てもあまり役に立たないんじゃないか」とか、「忙しい外来中に学生が来てもちゃんと教えられないんじゃないか」と躊躇する先生が少なくない。確かにやはり日常業務の中で学生を受け入れて指導するとなると、細かく手取り足取りといういわけにはいかないし、患者さんにも気を使うし、それなりに大変な面があるわけです。
 うちの場合、父の時代からずっと学生実習を受け入れていて、10年で延べ100人程度になると思います。ここ最近は増えてきていて、年間平均で10−15人くらいの実習生を受け入れています。そのほとんどは医学生(5〜6年生)です。今回の奥野さんのように、すでにお医者さんとして病院で立派に働いていながら研修に来たという人は、これまで3人だけかな。今は主に医科歯科大と慈恵医大の学生さんが定期的に来るのと、他にはホームページを見て直接コンタクトして来るケースで、その割合は7対3。ホームページ経由の人の方は全国津々浦々から来ています。奥野さんは自身でホームページで探して、かつ知り合いの先生による紹介という特殊なケースです。

--実習はどんなスタイルで行われているんでしょうか?

松村:基本的には“オン・ザ・ジョブ・トレーニング”です。常に私の背後で診療の様子を見ててもらって、必要に応じて「こういう患者さんのケースではこんな診療を…、薬はこういうものを…」とか「こんな症状の場合に考えられる疾患は…」というふうに、随時ポイントをレクチャーします。教えるというより、現場から学び取っていってもらう、という感じが強いですかね。
 まだ学生である医学部の5−6年生と、すでにお医者さんとして働いてる研修医とでは、やはり視点が違います。研修医の場合、こういう患者さんと対したらどういう診療をしようとか考えて行動していますし、在宅診療の往診とか地域密着医療など、病院ではなかなか学ぶことのできない診療所の特徴を重点に学んでいこうというふうに、ほとんどの人が自分の学習テーマを持ってやって来ています。一方、学生さんはほとんど臨床経験が少ないので、見るもの聞くものすべてが学びのはず。例えば、のどが痛いと言ってきた患者さんにはどういう診断をしていけばいいのかとか、血圧が高い方にはどういう薬や診療が必要なのかとか、そういう基本的なレクチャーをしています。
 実習スタイルの理想としては、安全な環境で実習生に患者さんを診療してもらって、私が一緒に診てあげるというのがベストなんですけど、それはなかなか難しい状況です。第一に医院に通って下さっている患者さんにご迷惑をかけてはいけないのが大前提ですからね。まあ、うちに来ている患者さんは長く通ってる方が多いので、実習生がいる状況にも結構慣れてるんですよね。逆に、学生さんの方に声をかけてくれたりして。ね?

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