医院紹介 先生の紹介 健康コラム スタッフのご紹介 診療について 地図 リンク

【コメント】
わたくし松村真司は、医師という仕事を「病気を治療するだけでなく、人々の健康を、そして健康的な暮らしや生き方をサポートする仕事。」そんなふうにとらえています。 日頃、私がどんな思いで患者さんと向き合っているかを知っていただきたいと思いました。
【過去のコラムは、こちら】
◎第1回:「松村医院の医療方針
     (プライマリ・ケア)について」
●第2回:「往診・訪問診療について」
●第3回:「予防接種について」
●第4回:「研修について」
●第5回:「コミュニケーションについて」
●第6回:「クオリティ・オブ・ライフ」
●第7回:「松村医院の建物改築について」
●第8回:「松村医院の建物改築について
      第2弾 新生・松村医院へ」
第1回「松村医院の医療方針(プライマリ・ケア)について」






--こちらの松村医院って、病院特有の薬臭さもなければ、いかにも冷たい感じのする大型の医療機器もなくて、なぜかほっとする雰囲気ですね。

松村:そうですか、ありがとうございます。確かに、大きな病院と違って、医療設備も機器も限られているのは事実です。実習にくる医学生たちからも「こんな何もないところで何をするのですか?こんな小さい診療所になぜ患者さんが来るのですか?」と、単純な疑問をよく持たれるのですが…。僕の父や僕が長年にわたって勉強し、めざしてきたのが『プライマリ・ケア』と呼ばれるもので、このような環境でこそ必要な医療のあり方なんです。

--『プライマリ・ケア』って、耳馴染みがない言葉なのですが、具体的にはどういうことでしょうか。

松村:例えば、行きつけの定食屋や美容院のように、子供の頃からずっと継続して通っている診療所ですと、患者さんはすでに顔見知りの医師や看護師によって、どういうサービスが受けられるかわかっているので、それだけでも安心できるでしょう。また医療サービスの提供側としても、過去その人はどういう健康問題があったのか、どんなアレルギーを持っているかというような情報がすべて蓄積されるので、診察に訪れた今現在の健康状態だけを診るのでなく、過去も含めたより広い視野での診察、診断ができるという利点があります。うちの患者さんの中には、子供の頃から来ている方で、さらに大人になって自分のお子さん、お孫さんを連れてきている方もいます。また家族ぐるみで診療している方もおられます。このように、その場限りではなく、ふだんから続けていろんな問題について、同じ医師が診てくれるという安心感は、患者さんにとって大きいんじゃないでしょうか。
 また、その人にとって病気や身体の具合が悪いのはどういう意味を持つのかということを、このような小さな診療所ですと患者さんとスタッフの間で共有しやすいんですよね。例えば、僕は上野毛で生まれ育っていますので、どこにどんな施設があり商店街には何があってという、地域の背景がある程度わかっています。また、もちろん先ほど申しましたように、常に家族という視点で診療にあたっています。病気になるということは、このような地域の背景や家族の中でのできごと、ライフ・イベントなのです。ですから患者さんの病気だけをとりだして診るのではなく、病気になったひとりの人間を、より広い視点から診察することが重要です。ですので、内科だから内科の病気だけというのでなく、どんなことでもご相談にのるというスタンスで、地域に密着して、より患者さんに近いところでケアすることを最重視しているのがプライマリ・ケアなんですよ。

プライマリーケアについて

--今のお話ですと、こちらでは、専門以外のことも診ていただけるのでしょうか?

松村:ええ、基本的にごくありふれた病気ならとりあえず拝見します。どんなこともまずお話を伺い、症状を診て、自分の手に負えることでしたら診療しますし、より専門的なケアが必要と判断したら、適切な病院や先生を紹介するようにしています。ですから、ちょっとでも不調なところがあったり、健康に対して疑問に感じていること、何科にいったらいいのかわからないようなことがあったら、いつでも気軽に聞いてください。ご家族にとって「ホームドクター(健康の相談役?)」といった感覚でおつきあいいただけると嬉しいですね。

※プライマリ・ケアとは
プライマリ・ケアとは医療のあり方の一つで、第一次的医療、初期診療における総合的な診断と治療という意味。医療機関や技術のないところでも、最初に必要なケアとして考えられ実践されている。専門分化の弊害が指摘されはじめた1960年代後半から、地域に根差した医療サービスの従事者や医師を育てるために世界各国での取り組みが始められた。日本では最近になって、プライマリ・ケアが多くの医療の現場で重視されるようになってきて、いくつかの大学や教育病院において総合診療・家庭医療という名前で教育が行われはじめたが、これらを担う技術と知識を十分に持つ医師がまだまだ育っていないのが現状。この分野の先駆的な立場で後進の指導にあたっている。

●より詳しい情報はこちら→プライマリ・ケアって何?(日本プライマリ・ケア学会より)
●より詳しい情報はこちら→総合診療(家庭医療)とは(川崎医大総合診療部HPより)


つづき >>